|過去のイベント情報

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イベント名 講師 開催日
第2回子ども司書推進全国研究大会
第4回うちどくサミット in 三郷
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  平成24年11月30日/
12月1日
平成24年度 子ども図書館員講座 伊万里市民図書館職員 平成24年7月31日・8月1日/
8月7日・8日/22日
りんごの町・板柳で家読(うちどく)サミット 平成23年11月4日・5日
平成23年度 子ども図書館員講座 伊万里市民図書館職員 平成23年8月2日・3日/
8日・9日
第1回家読(うちどく)サミットin伊万里

|第2回子ども司書推進全国研究大会

 うちどくサミットの前日には「第2回子ども司書推進全国大会」が行われました。
基調講演は東日本大震災で被害を受けた宮城県女川町からのお話でした。「被災地で本がつなぐもの」という題で、町の図書室が失われてから復興するまでの取り組みを紹介されました。人々の心をつないだのが絵本だったことや、小さい規模ながらも絵本館や図書室でサービスを再開させたことをスライドの写真と一緒にお話しされました。最後に紹介されたサトウハチローさんの『ふるさとに生きる ふるさとを生かす』という詩は、会場にいた多くの聴衆の心にも届いたことでしょう。

三郷市の子ども司書による本の紹介

 続いて三郷市の事例発表がありました。今年度から始めた子ども司書養成講座の受講生13名が緑のエプロンを身にまとい、ブックトークなど自分達の学んできたことを明るく、元気に発表しました。その後は、4つの自治体から子ども司書に係る活動の事例が発表されました。それぞれの自治体で創意工夫をこらして、小・中学生が図書館の仕事を学ぶために様々な取り組みがなされていました。事例発表の後にはパネルディスカッションも行われ、登壇者の意見交換などがありました。担当者の意見は良い点ばかりでなく、厳しいものも寄せられました。さらに、問題点として、講座が始まったばかりで試行錯誤を続けていることや、子ども司書を育成しても活躍の場が少ないことを挙げられていました。まとめとして、この研究大会が継続して開催され、全国各地で子ども司書が誕生し、活躍することを願って閉会となりました。

 今回の大会では三郷市の子ども司書が自分達の発表以外にも司会を担当したり、大会前や終了後では会場内のスタッフと一緒になって来場者を案内したりして、活躍する姿が印象的でした。

|第4回うちどくサミット in 三郷

 12月1日に埼玉県三郷市で「うちどくサミットin三郷」が開催されました。
 家読に最初に取り組んだ茨城県大子町、青森県板柳町、そして伊万里市の首長が集まり、家読を推進するための全国サミットが始まって3年が経ちました。そこから家読は全国に広がっていきましたが、現在家読活動の最先端を走っているのが、今回の会場である三郷市です。今回のうちどくサミットは、三郷市市制施行40周年記念「日本一の読書のまちづくり」事業として開催されました。伊万里市からは江頭副市長をはじめ、6名が参加しました。
 三郷市はこの「日本一の読書のまちづくり」を豊かな地域づくりのスローガンとして、平成22年度から事業に取り組んでいます。平成18年度に「生きる力を育む読書活動推進事業」の地域指定を受けたことで、まず「読書のまち三郷づくり」事業を行い、そこから幼稚園・保育園から小学校・中学校までの取り組みが展開され、今では保護者や地域、そして図書館も協力して、全市を挙げて読書のまちづくりを推進しています。

家読のパネル展示

 会場に入って、まず驚いたのは、市内の小・中学校で家読の取り組みを表したパネル展示でした。どの学校でも、家読に向けて図書室を多用している様子が分かり、壁新聞・おすすめの本の紹介などが色とりどりに飾り付けていて、普段から読書に親しみ、家読につなげている状況が見えてきました。

 うちどくサミットのオープニングは、伊万里発の家読のテーマソングである『こころつないで-read and talk-』を小学生が合唱しました。その後、主催者・来賓の挨拶に続いて行われたのが、「うちどく郵便コンテスト」の表彰式でした。親子で、兄弟姉妹で、お互いが読んだ本について書いたり、家族に宛ててお薦めのメッセージを書いたりするのがうちどく郵便です。入賞された作品はいずれも心のこもった温かい内容の手紙でした。

家読の事例発表

 続いて、三郷市での家読活動を紹介する事例発表が行われました。まず、早稲田小学校の6年生による朗読劇『注文の多い料理店』では、ストーリーに沿って展開する全員の演技が素晴らしく、物語の世界に吸い込まれるようにして見とれてしまいました。また、幼稚園児による『さんびきのこぶた』の発表や小・中学校での取り組みの紹介は、積極的に児童や生徒が参画している様子が感じられました。特に中学生の親子が一緒に登場し、家読の様子やその時の気持ちを発表する姿には、日頃から本を通じて、コミュニケーションを交わしている姿が想像できました。

柳田邦男氏による基調講演

 休憩の後は柳田邦男氏による基調講演です。柳田さんは「大人の再生、子どもの成長」を題し、家読が広がることで大人が感性を取り戻し、子どもは感情豊かに育つことを、家読や読書の取り組みと合わせて紹介されました。さらに「朝の読書」が地道な活動を経て、全国的に広がっていったように、これから家読も同様に広がっていくだろうと話されました。また「親子が一緒に読む時間をつくり、できれば同じ本を読むこと」と「家読のすすめ」を語る柳田さんが最後に話したのは、「『本が大好き』という子どもに育てたら、それは子どもにひと財産を身に付けたに等しい」との言葉でした。それを実現するには、読書の環境を整え、家読を通じて家族のコミュニケーションを図ることだと感じました。

 大会の締めくくりには三郷市から家読の宣言文が読み上げられ、盛会の裡に終了しました。今回のサミットは「日本一の『読書のまち三郷』」と称するにふさわしい舞台での大会となりました。